いつからだろう・・・?
ちょっとしたことでふらふらしたり、立ちくらみ・めまいが起きてしまう。
耳鳴りが聞こえる。まぶたがぴくぴくする・目が疲れやすいな~。
胸のあたりがおかしい。(心臓が浮いたようなジワジワ感や動悸、疲れた感じ。)
息苦しいことが多くなってきた。
手足のしびれ・ふるえ、冷え感などの違和感。
胃腸の調子が悪くスッキリしない。下痢や便秘を繰り返す。
全身の倦怠感。眠れば治ると思っても眠れない(満足できない)。微熱が続く。
冷えや異常な汗、原因に身に覚えがない頭痛や痛み。
なんかいつもと違う・・・。
ただ、疲れが取れないだけだと思っていた。
調子が悪くてもしばらくすれば治ってしまうと思っていた。
病院で見てもらえば大丈夫だと思っていた。
だって自分はいつもの生活と何にも変わっていないんだから・・・。
病院での血液検査を始めとする様々な検査の結果は「異常なし」。
でもこんな時に初めて先生に告げられる病名は「自律神経氏失調症」です。
これまでに誰でも一度は耳にしたことがある珍しくない病名です。
でも・・・まさか自分がそうなるなんて考えたこともなかった。
そんな自覚は全くないのに。なにがどうなっているの?
どうなるの?不安が不安を呼んで苦しみが増していきます・・・。
「この自律神経失調症をなんとかしたい…。」
自分の身に降りかかって初めて考えてしまう「自律神経失調症って・・・?」
まず自律神経の仕組みを知ることから始めてみましょう!
知っていくことで、なぜこんなことになったのか?これからどうすればいいのか?が
見えてきます。そのうえで、自分のからだの状況を把握できれば改善への道が見えてきます。
神経にはいろんな種類があります。
自分の意思で感じたり命令を伝えたりする体性神経は、「熱い」「冷たい」「圧された」「触った」「痛い」などの知覚(外からの情報)を担当する感覚神経と、脳から口や手足などの身体の各部分に動きなさいと命令を伝える運動神経の二つからなります。
逆に、自律神経は心臓の拍動や血液の流れ、呼吸、体温、血流、消化、代謝、睡眠、目に入る光の調節など、自分の意思とは無関係に、普段私たちが気にもしていない働きを休むことなく最適に調整しているのです。
そしてこの自律神経には交感神経と副交感神経があります。名前は似ていますがこの二つの神経、全くの別物で反対の働きをする傾向があります。互いに、働きが異なり、独自に動き、そして働き過ぎないように自ら調整することでバランスがとれています。
その目的は私たちの身体を守る(体内環境を一定に保つ)ためにあります。私たちは、この自律神経の働きがあってはじめて生きていく事ができます。
現在言われている原因に、なりやすい体質的なもの、ライフスタイルの変化や生活習慣の乱れなどがあります。夜更かし、多忙な仕事、家事や育児、人付き合いなど、身体を調整しようとする働きにダメージを与えるストレスがあふれかえっているのです。
「でも、今までストレスって感じた事はないけどな~?」って思っている方も多いと思います。確かに一般的に言われているストレスとは<精神的>なストレスです。自律神経失調症が<心の病>との印象を持たれている所以かもしれません。しかしストレスはそれだけではありません。そもそもストレスとは本来の身体に不本意な変化をもたらすものすべてを言います。
たとえば、温度や湿度、気圧や明るさなどの環境の変化があります。春夏秋冬の季節変化が緩やかであれば対応できて問題ありませんが、その間、激しい気温や気圧の変化にさらされることもしばしばです。(全身の倦怠感・疲れが取れない、など)
明るい照明によって昼夜の境が無いような環境では、目は休む暇もありません。(まぶたがぴくぴくする・目が疲れやすい・ドライアイ、など。)
昼夜の境が無くなれば、長時間働く身体を保持し続けなければならないストレスが増えます。
長時間の労働は筋緊張を起こして痛みなどの不快な症状を出してきます。その痛みは交感神経を刺激し続け、私達の身体(姿勢を維持する筋肉や、それを統べる神経など)に大きな負担を強いることになります。(頭痛・頭重・肩こり・腰痛・筋肉痛、など。)
また、内臓の不調が反射的(内臓体制反射といいます)に周りの筋肉を緊張させて背中の痛みや重だるい腰などの原因になることもあります。
私達が働くためには食料などのエネルギーが必要ですが、口にする食べ物にはかなりの偏りが見られるようになりました。栄養分はもとより、食べる時間や食べる量、食べる回数などの変化は、胃腸をはじめとする内臓にとってかなりのストレスとなっています。
耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか? 現在、その正確な原因は分かっていません。
ストレスが続き交感神経が強く働き続けると、リラックスする神経(副交感神経)がうまく働くことができません。リラックスする神経(副交感神経)に支配されている内臓本来の力が発揮できなくなってしまうのです。(消化不良・食欲不振・過食・胃炎・腹部膨満感、など。)内臓などは特に自律神経に影響を及ぼすので、注意が必要です。
当然、自律神経は精神的な刺激に対しても働きます。興奮したとき、はげしい怒りを感じたとき、強い恐怖を感じたとき、緊張したとき、悩みや不安をかかえているときなども、反応して交感神経が働きます。身体的な部分でも十分に自律神経の働きを乱れさせているのに、その上<精神的>ストレスが加わるのです。
このような環境が続くことで、「自律神経の乱れ」が起こります。緊張させる神経(交感神経)と、リラックスさせる神経(副交感神経)が、様々な支配領域において、どちらかが一方的に興奮したり、あるいは両方が共に興奮したり低下したりするのです。(バランスをとるというより、どちらが優位か?といったほうが説明が付きます。)その上、全身性か部分(部位)的かの選択も考慮に入れると、自律神経本来のスムーズな働きが出来なくなってしまう上に、<シーソーのような>といった「二社選択」では説明が付かないような様々な症状が出る可能性が考えられるのです。
でもちょっと待ってください! 疑問に思われている方も多いと思いますが。このような環境は何も今に始まったことではありませんよね? 自律神経失調症は老若男女誰でもかかる可能性があります。自律神経失調症状で悩まれている方は なぜ 今 症状が出てしまったんでしょうか?
キーワードは体力です。自律神経失調症状が出ているときにはこの体力が不足していると考えています。ここでいう体力とは、自律神経の働きを維持・回復する力をいいます。
他にも、精神的に大きなストレスがかかったり疲れが蓄積したりしている状態も、同様に閉塞感や耳鳴りを起こしやすいと考えられます。
この体力の中には4つの力があります。
1つ目は、身体を治す力、治癒です。(病気や怪我を治す力です。)
2つ目は、身体を守る力、免疫です。(細菌やウィルスから身体を守る力です。)
3つ目は、ご存知、運動のための力です。(一般的にはこれを体力と言います。)
4つ目は、体の機能を調整する力です。(自律神経の命令を実行する力です。)
これらの体力は、様々なストレスにさらされて消費されていきますが、本来、規則正しい生活をしていれば自然と回復するものです。起きているときに回復より消費が多く、眠る(休む)と消費より回復が多くなります。
しかし、ライフスタイルの変化や生活習慣の乱れは全体的に回復より消費を多くさせます。 体力が落ちてくると、病気にかかりやすくなったり、治りにくくなったり、疲れが取れにくくなってきたりします。自律神経からの命令が出ても、命令の実行を維持する力が足りなくなってくるのです。この状態は、自律神経そのものを混乱・乱れさせてしまうのです。
自律神経は自分の意思とは無関係に、機能を調整する働きを続けるために、身体を休むべき時に休ませて回復を促し、効率良くエネルギーを補給し、身体を最適な状態に維持していくものです。
しかし、様々なストレスは体力を削っていくと同時に、自律神経の乱れを酷くさせていくことになるのです。この状態が <今のあなた> であると考えてください。文初にある症状、いくつ当てはまりましたか?
自律神経失調症とよく似た症状があります。病院にかかっても、かかる科によって病名が違ってくることが珍しくありません。たとえば、
不眠症・更年期障害・月経前緊張症・めまい症・耳鳴り・突発性難聴・過喚起症候群・過敏性腸症候群・慢性胃炎・肩こり症・慢性疲労症候群・高血圧症・等々…。
しかし、これ等のように病名が違っていても自律神経失調症が大きく影響していることは間違いありません。
逆に、糖尿病、貧血、バセドー氏病、脳腫瘍、癌などは「疲れやすい」、「だるい」、「手足のしびれ」、「発汗」、「ふらつき」など自律神経失調症とよく似た症状が現れる事があります。自己判断せずに、まず病院で診察を受けることが大切です。
一部の自律神経は脊髄反射によって勝手に働くという特徴がありますから、反応点治療でもこの作用を利用します。
優しい鍼灸の刺激で痛みをおこす筋肉の緊張を改善させ、さらに自覚されないながらも大きな影響を及ぼしていると考えられる、平衡感覚、耳・鼻・咽喉・などの慢性炎症、内臓器官の不調に検索・アプローチしていくことで、様々な症状に対応し自律神経本来の働きを取り戻していきます。
・耳のつぼに鍼やローラー鍼で刺激を与え、自律神経症状を増大させたり定着させたりする、めまい・耳鳴りなど、の症状を抑えます。
・咽頭への刺激は咽頭粘膜の環境を滑らかにして、炎症のおきにくい環境に整えます。
・お腹のつぼへの優しい温灸刺激は、副交感神経によって支配される胃腸を刺激して、交感神経の過剰な興奮を抑えることができ、胃腸を整え、冷え感や眠れないなどの症状を改善します。
・ご自宅でのセルフケアの方法をお教えします。お灸やローラー鍼を使った短い時間で簡単なものです。しかしこのセルフケアが治療の決定打となるものなのです。
このようなアプローチによって徐々に自律神経本来の働きを取り戻していきます。
・また、自律神経の環境が整えられていくことで総じてホルモンの分泌も安定しやすくなり、生理不順や生理痛などを改善させる事が出来るようになります。
・閉経後の更年期障害などにも身体を安定させていくという点でかなり有効です。病院で行う治療の大きな支えになるでしょう。